エズラ・パウンド(詩人)の名刺
娘さんから贈られた詩人 エズラ・パウンドの名刺
去る5日、届けられた郵便物のなかに見慣れた筆跡の航空便を見つけた。
イタリア・メラーノに住むMARY DE RACBEWILTZ夫人からの手紙だった。マリ夫人と言っても普通の人にはピーンと来ないだろう。彼女は20世紀を代表する詩人 エズラ・パウンドとオルガ・ラッジとの間に産まれた、パウンドの娘さんだ。
急いで封を切った。中から当て紙に支えられて小さな薄いブルーの小冊子が出てきた。
Mary de Racbewiltz
CENTOVENTI
e
OTTANTA ANNI
と表紙に紙の色より少し濃いブルーのインクで印刷されている。
奥付を見ると2005年7月9日 ブルネンブルグで300限定刊行されたうちの82番。
その下に
for Tendo Taijin
Mary de Racbewiltzとサインされている。
16ページの何気ない小冊子だが、昨年の2005年はエズラ・パウンド生誕120年そして、マリ夫人80歳を記念して刊行された、グレーの本文活字と所々に配置されたブルーの活字が微妙に配置されて、印刷の粋さが感じられる素晴しい出来映えの掌本だ。(本当に嬉しいね!!!)
その中から小さい紙が出て来た。
EZRA PAUND
××× S GERGORIO VENEZIA
道路番号、そしてVENEZIAとだけ印刷されているだけのシンプルな、しかし、すこぶる趣きのある名刺だ。
こんな名刺を作りたくなった。しかし、この活字は見たことも無いので、調度、神保町に行くついでに、懇意にしていただいている白鳳社の相田昭社長にたずねてみる事にした。
直ぐ相田社長が調べてくれて、どの活字かが分かった。
暫らく手元に置いて眺めてみてから、同じように制作するかどうか考えてみる事にする。
名刺の裏には、私が昨年7月7日発行 Stephen Comee氏の翻訳で、英文の選詩集『The Wind from Dakar(1978-2005)』(私家版 77部限定)をお贈りしたことに対しての言葉が書かれていて、礼状に為っていた。(お洒落!!!)
そうか!贈られた小冊子も私の英文選詩集も昨年7月7日、この小冊子は9日と非常に近い日時に刊行されているからか?
何故かマリ夫人は、10年前、初めて藤富保男氏の紹介で詩集『エズラ・パウンドの碧い指環』をお贈りして以来、好意を持ってくれて、時々、貴重な資料を送って下さっていて、今でも続いている密かな交流だ。
私の初めてのCD 『UNIVERSAL VOICE』を贈った時も、もしエズラ・パウンドが生きていたら喜ぶでしょうとの礼状を貰っていた。
今春には、何とか英文の選詩集を制作しょうと、考えている。
乞うご期待!!!!
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