ピアニスト ZYGMUNT DYGATの弾くショパン,彼が創り、産み出す音の素晴しさ!
パデレスキーの三大弟子の一人、ピアニスト、ジグムント・ディガットの弾くショパンを聴いた人は、クラシック音楽フアンが多い日本でも、ほんのひとにぎりの人しか居ないだろう。
私はデガットの弾くショパンの曲を、かってパリの彼の家で聴いた事があるのだ。
其れは1975年8月5日。まさしく一瞬の僥倖とも言える至福の時間だった。
ピアニスト、ジグムント・ディガットはルービンシュタインと並んでポーランドのパデレスキーの三大弟子の一人。もし亡命していなかったら、ショパンコンクールの審査委員長に為って当然の実力あるピアニストなのだ。
何故か日本では全く知られて居ない。
私がヨーロッパに滞在したのは、最初、1972年8月から1974年4月までと1975年6月から1978年5月迄で、1975年の時はパリを中心にして居た。
その後、十数回渡欧しているが、この二度の約4年に渡るヨーロッパ滞在での体験、経験が、今の私を築き上げてる礎と為っている。
今、何故、ディガットの事を書くかと言うと、一枚のパンフレット(4ページ)が出てきたからだ。
私宛の言葉を入れて、赤いインクで書かれており、1975年8月5日、パリ、と記されている。
彼にピアノを教わっていたのが私の知人。日本人の女子学生M・Fで、パリに在るラフマニノフ音楽学院(多分?)で、デガット教授に教えて貰っていたので、1度、私はついて行った。
粗末な木造の校舎の中で夕陽の照るなかで授業は始まった。
デガットの弾くピアノの音は、音楽その物だった。
その時、私は生まれて初めて,本物のピアニストが弾くピアノの音を聴いたと思った。
そして次回の授業はデガット教授の自宅で、彼女がレッスンを受ける時、一緒に来ても良いと言う事で私もついて行った。
その家が何処だか今では全く分からない。
彼女がピアノのレッスンを受けているのを黙って聴いていた。
1時間余りのレッスンが終わり、デガット教授が、黙って聞いていた私に向って、貴方の為に弾きたいが、何を聞きたいか?と言われた。私は、ショパンを所望した。
私はピアノの上に架かっていた、J,HOSHIZAKI とサインされた絵を見て、日本人?とデガットに訊ねると、知り合いの日本人の画家だと彼は言った。
後年、このサインの画家は、星崎順之助(今、どんな字だったかどうかが判らないが)と言う画家で、日本橋の画廊で本人と話す事が出来た。
教授が弾き始めた聞き覚えのあるショパンの曲は、日本人がショパンを学んで弾くのとは、大違い!!!
デガット教授が弾くだけで、既にショパンなのだ。
ショパンに為っている。 ピアノの音が違う。学んで弾いている訳ではない。彼自身が既にショパンなのだ!
私は余りにも気持が良くて、その場で寝てしまったのだ。
その後、パリでミケランジェリ、ポリーニ、アシュケナージ、ルービンシュタイン、バレンボイム、リヒテル、ギレリス等のコンサートでピアノの音を聴いたが、間近で聴いたデガットのピアノの音にはどれも敵わなかったのだ。
驚いたね!! これには。
日本人は何を音楽大学で学んでいるのだろうか!
いや、誰が、何を音楽大学で毎年、生徒に教えているのだろうか?
もしかしたら、ショパンを教える事は出来るかもしれない。
しかし、学んだ者は学んだ事を弾く事は出来るかも知れないが、ショパンではないのでは?
デガットのピアノの音を聞いてからは、幾ら有名なピアニストの音を聴いても納得いく事が出来ない自分が居た。
余りにも、下手糞すぎて!!!
音が出来ていない!
聲も人為り。字も人為り。音も人為りなのだが、解っていないピアニストが余りにも多すぎる。
何とか、今、生きているピアニストに聴ける音を弾き出して欲しいと望むだけだ。
有名でも実力が無いピアニストが多すぎる。
何処かに、今、聴くべき音を産み出すピアニストが居ますか?
居たら有名無名に関らずお教えいただきたい。
あの至福の時を、再び味わいたいものだ。
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